「県立図書館もっと便利に 大改修」その可能性と町の図書館を育む私たちが読書から得たことを「生きた知恵」にしていくこと。
町の公共図書館は、今、どのくらい機能しているのでしょうか。
司書によって、対応の違いはありますが、書物や地域の知的財産を
もつところが「図書館」です。
図書館は、本と人を繋ぐ場所だけではなく、
人と人が繋がる場所である可能性も秘めています。
県立図書館、もっと便利に 大規模改修、利便性向上へ (山形新聞) - Yahoo!ニュース
2016.2.6
県教育委員会は5日、山形市の遊学館内に入る県立図書館の利便性向上を狙い、図書館の大規模改修を実施する方針を固めた。遊学館内の空きスペースなどを活用し、開架冊数や閲覧席を拡大。2016年度から2年間で構造や設備配置を盛り込んだ基本設計、より詳細な実施設計をまとめたい意向で、完了後に改修工事に入る。
1990年に開館した県立図書館について、来館者が利用するエリアの延べ床面積は3390平方メートルで、約17万8千冊を並べている。エリアを5700平方メートルほどに広げ、開架冊数を約40万冊に増やす。閲覧席も現在の110席から200席以上に増設し、ソファや学習机などを充実させて幅広い世代に対応した空間づくりを目指す。
新たに活用するエリアは遊学館内の1、2階で未使用部分などを想定。これら設計に関しては来年度、公募型プロポーザル方式で実施する。県立図書館の年間入館者は、ここ数年は20万人前後で推移。開館当初と比較すると8万人ほど落ち込んでいる。改修によって機能向上を図り、多くの県民に多様なサービスを提供したい考えで、改修と合わせ情報通信技術(ICT)の活用、管理運営の充実も推進する。
5日に県庁で県立図書館活性化検討委員会(逸見良昭委員長)を開き、これまで協議してきた「同図書館活性化基本計画」にこれら大規模改修などを盛り込んだ。3月中に正式に計画を策定して公表する。
ここでもICT・情報通信技術の導入が図られます。
私は、マイナンバー制度を懸念していますが、ここでも関連してくるでしょう。
図書館について話を進める前に、「利便性」を重視して発信されるものは、
後世に生きる子どもを、苦しめる「決まり」になったり、
「価値」になったりするということ私たちは、いつも心にとめる必要があります。
次世代の図書館の取り組みとして、ネットワーク化を目指す場所も
少なからずありますが、まず、図書館という場所や空間の可能性を考え
「市民が安心して学べる場所」
「自由に新しい知を求め、育める場所」としての「空間」構築を目指すべきだと
考えます。
私たちは、人生のうち、いくつかの生きる指針となる本に出会います。
読書は、心のひだを作り、耕してくれます。読書をすることで、
「知る」ことができます。
このような時間は、とても大切です。
しかし、ここで得た知を、「知る」「分析する」「書く」段階で終始せず、
行動することで、自らの経験のなかで再構築されるのです。
つまり、書物の中の情報を認識するだけにとどまらず、どう活用し、
ヒントにするかを考えながら先人の智恵を上手く使う必要があるのだと思います。
それが、生きた知恵になります。
自分の知的好奇心を満たすためには、まず読書は欠かすことができないですが、
本から得たこともまた「編集」されたものであることを認識しなくてはなりません。
人が作るのですから、少なからず情報は、その人の思考を通したものになります。
それは、新聞記事も、ニュースも「人」を通したものになり、
100%純粋に届くものではありません。
そして、同時に、私たち読み手のリテラシーもありますから、
事実や本当のことを読み解くには、物事を批評的に見たり、
実際に自分で確かめたりする方法しか現在は思い当たらないのです。
書物が並ぶ「図書館」
この紙媒体の「本」としての質感は、電子書籍の画面では
得られない感覚があるのです。
デンマークの図書館などは、育児サービスが充実し
ノルウェーの図書館では、高齢者が学び続けることのできるサポートもあります。
そのように、公立図書館を育てていくのも、また市民である私たちです。
そして、私は、学校図書館の充実も期待しています。
そこについての課題と可能性については、後日書きます。
いずれにせよ、本を読むように、
日常の生活のなかで、「自分で情報を読み進められる力」を活かし、
それを「活用していく力」を私たちは、メディアに頼ることなく、
養わなければならないのだと思います。