正直に生きるということ

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正直に生きる

 

 

「ねぇ、正直に生きるってどういうこと?」

 

 

と帰り道、母の顔を覗き込み、

真剣な眼差しで、子どもが尋ねました。

 

 

 

さて、あなたは、何と応えるでしょう。

 

 

 

 

この「正直に生きる」ということは、

人としてとても大事なことなのです。

 

 

 

意味としては、

 

正しくて、嘘や偽りがないこと

 

 

ということですが、他にも意味を含んでいます。

 

 

ここでの「正しさ」とは、生物として生まれてきた自分の

身体やポテンシャルに従って生きるという正しさのことです。

 

 

社会通念を基準にして、そこからの判断で、正しい、正しくないと

言われている「常識」上の話ではありません。

 

 

この「常識」を身に付ける学習は、義務教育の場、テレビ、ニュースなどから

私たちは、幼い頃から刷り込まれます。

言葉で、仕草で、いろいろな人やものから知らず知らずのうちに影響を受けています。

そして、それらは、作られているのです。

 

 

いつしか、私たちは、純粋に世界を見ることを忘れ、

この「常識」という曇り眼鏡をかけて、

息苦しさを感じる感性までもが、鈍化して生活をしているのです。

 

 

大人になっていく過程で

「まぁ、いいか。」「このくらい。」

「皆、そうなんだから。」

「誰かが、やってくれないかな。」

「私は、知らない。」

という言葉で逃げてしまうのです。

 

 

 

それは、そうやって「嘘」を付かなければ、

「生きていく」ことができない2016年現在だからです。

 

 

 

 

 

 

大人になることは、大事なことを忘れていく行為でもあるのです。

 

 

 

 

その中で、もまれて、「おかしいぞ!」を気付き始めた時に、

もう一度、人は学び直すことができるのです。

そのことを、『アンラーニング』と名付けましょう。

 

 

『学び直す』こと、あるいは『学びほぐす』ということです。

 これは、他の動物とは異なり、人間にしかできないことです。

 

本当の学びは、ここから始まります。

 

 なぜでしょうか。

 

新たに、自己の内に芽生えた「疑問」や「命題」は

生涯をかけて、向かう「使命」になる可能性があるのです。

 

 

それを見つけられた人は、幸せです。

それは、物理的なものや時間では、代用することはできません。

そのくらい稀なことです。

1000人いたら1~2人くらいの割合ではないでしょうか。

 

 

「正直に生きる」ということは、

それらを見つける「可能性」を含んでいます。

 

 

人は、嘘を付くことのできる生物ですが、正直に生きられる生物でも

あることを自覚しましょう。

 

 

 

 

 

そもそも、なぜ、「正直に生きる」必要があるのでしょうか。

 

 

それは、自分に素直になるということであり、

自分に自信をもって生きるということでもあり、

「自律」していくという行為そのものに繋がるのです。

 

 

しかし、どうやら、この社会を見渡すと、

「正直に生きる」と損をする世の中の仕組みがあるのです。

「損をする人」が現れるということは、

勿論その逆で「得をする人」が出てきます。

 

 

一部の人が、大衆を動かし、富を独占する。

そのような世界の仕組みになっているのですから、

そのような関係性になるのは当然です。

 

 

それを、善悪で判断するのではなく、

先日申し上げましたように「多角的」に物事を

見つめ、考えていきましょう。

 

 

一喜一憂する問題でもなく、

あたふたと泣きわめく問題でもなく、

ただ、私たちは、その事実を知り、どのように歩むか。

 

ただそれだけのことです。

 

 

それは、「自分に正直である」ということが前提です。

そうでなければ、結局誰かの判断や価値基準で生きることになりますから、

自分というものを知らずにして一生を終えることになることでしょう。

 

そのようなもったいない生き方を選ぶか選ばないか選択するのも

また「自分」です。

 

 

本来は、「自分」も「他者」も境界線のようなものはなく、

社会も自分も同じようなものなのです。

 

 

繋がっているからこそ、

他の生物も同じように大切にするのです。

 

それが思いやりです。

 

自分に正直に生き、自分を大切にできる人でなければ、

そのような「思いやり」ある言動はとれません。

 

 

どのように生きるかも、それを考え進めていくのも、あなた自身なのです。

 

 

 

 

 

 

ここまでの話を聞いて、子どもはきっとこう質問するでしょう。

 

 

「それじゃぁ、平等ってなに?」

 

 

平等については、

また次の機会に一緒に考えましょう。

 

 

 

 

道徳とは・・・

  人々が、善悪をわきまえて正しい行為をなすために、

守り従わねばならない規範の総体。

外面的・物理的強制を伴う法律と異なり、

自発的に正しい行為へと促す内面的原理として働く。