乳児破棄容疑で高校生男女を逮捕 「命を育むこと」に年齢は関係がないのです。女性と女性の世代の「生命の普遍的価値」を「知恵」として受け継ぐ架け橋を「今」築き直す必要があります。

 

私は、ここ数日の間、日本で起きている下記ニュースについて考えています。

<乳児遺棄容疑>自宅で出産、放置か…高校生男女を逮捕 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース2016.2.15

 生まれたばかりの乳児の遺体を遺棄したとして、静岡県警富士署は15日、県東部に住む10代の高校生の男女を死体遺棄容疑で逮捕したと発表した。

 容疑は、今年1月下旬ごろ、生まれて間もなく死亡した男児を、少年の自宅の部屋に遺棄したとしている。2人は容疑を認めているという。

 県警捜査1課によると、2人は交際中で、少女は1月下旬、自宅の浴室で男児を出産。男児の父親の少年が自宅に男児を持ち帰り、放置していた。県警は男児の死因を調べている。

 少女は2月10日、体調不良で同県内の病院を受診。医師が出産に気付き、少年が病院に男児の遺体を持参した。遺体はタオルにくるまれた状態でバッグに入れられ、腐敗が始まっていた。

 少女は、少年に妊娠を打ち明けていたが、親などには相談していなかったとみられる。【松岡大地】 

若い親による「子捨て」 相次ぐ虐待事件 (伊豆新聞) - Yahoo!ニュース

2016.2.21

 

先日、トイレで女児出産 ・日本で子ども 「虐待死」相次ぐ。なぜ!? 「命」を繋ぎ、育む、私たちの普遍的な価値は、50年後この地球上に存在するのでしょうか。 - familylearning-fullの日記、を書きました。立て続けに、このような出来事を受けて、

各教育施設では、「性教育」(現状の性教育では体のこと、避妊のこと、病気のこと)

が、あらゆる方面から見直され、「命」についての「価値」が変革されていく

ことだと思います。

 

私は、このことを知った時に、とてもやるせない気持ちで

涙がこらえられなくなりました。

どうして、そのようなことが起きたのかを考えずにはいられませんでした。

 

その背景を考えると・・・

・10代の人が産んだ子どもは、社会的に放置され育てる環境が無いという事実。

・1人の人が親になることへの期待と安心感を学ぶ機会の減少。

・貧困世帯の増加により、育てるための金銭的問題。

・義務教育での性教育の課題。

 

そもそも、10代で産んだ子どもも、20代で産んだ子どもも、

30,40代で産んだ子どもも皆、同様に社会において歓迎され、

育てていくことが理想です。

 

今では、「10代で子を産むなんて・・・」

「まだ、出産は早いよ、仕事で一人前になってからよ・・・」

「早く、高学歴のよい人を見つけ結婚しなさい・・・」

不妊治療を受けた方がいいよ・・・」

 

など、女性が女性に対する無言のプレッシャーのようなものが存在します。

それに加え、自由に恋愛するなんてことも、現代では難しいのです。

好きな人がいても、その人の年齢だったり、働く先、学歴などと

そのようなものを、私たちの親世代は求めます。

 

また、パートナーを見ると、収入、学歴、年齢などを中心に選ぶ常識の下、

そのような思考が男女間において、自然に子どもを授かり、

その後の家族・夫婦関係にも大きく影響しているのではないでしょうか。

離婚推移:厚生労働省:平成21年度「離婚に関する統計」の概況:離婚の年次推移

 

 

この女性も、親には言えなかった・・・相談できなかった・・・

そのことの意味を私たちは、しっかりと受け止めていく必要があります。

 

 

子どもを見ていると、夫婦仲が良く、こどもを尊重し、よき躾の環境で

育った子どもは、大人になることを喜び、自然に「命」を繋ぐのでしょう。

 

 

しかし、この社会(これから先)は、まず子どもを産んで育てるためには、

女性は働き、稼がなくてはならない。

第1-3-17図 共働き等世帯数の推移 | 内閣府男女共同参画局

昭和53年から平成23年にかけて、共働き世帯は、373万世帯も増加しており、

男性雇用主と無職の妻から成る家庭は、341万世帯減少しています。

その先の、課題が大きく圧し掛かるのです。

この差は どんどん開いていくことでしょう。

 

 

まず、子どもを「産む」までの課題。

次に、産んでからの課題。

 

これらの課題をすべてクリアできて、現代の日本に生きる女性は、

母になることができるのです。

女性として生まれ、子どもを産むことは、自分を成長させ、

素晴らしいことだと知りながらも、発揮できずにいるのです。

中絶件数:人工妊娠中絶件数 [ 2012年第一位 鳥取県 ]|新・都道府県別統計とランキングで見る県民性 [とどラン]

15歳から19歳で年間20497件で、全体では年間の中絶件数は202,106件です。

 

 

 

 

 

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この世に、生まれてきてはいけない命はありますか。

 

この世に、生まれてほしくない命はありますか。

 

 

そんなもの一つもないはずなのに、

どうして、10 代で出産を医者の手をかりずに、浴槽で、

自らの生命力で産むと決めた女性が逮捕されるのでしょうか。

 

命を産み、育むことが尊い価値であるのにも関わらず、

それと反した生活や情報、教育をしてきたからでしょう。

それがこの結果に繋がってしまったのだと思います。

 

子どもを育てることは、誰しも初めての経験なのですから、

年齢関係なく、皆が学ぶべきです。

子どもの才能を見抜き、発揮させ、しつけ、よりよい環境を

自分自身で作りだしていくのです。

そのオーダーメイド的なその子に合わせて時間を使うことができるのは、

家庭しかありません。大衆教育(義務教育)では、太刀打ちできない重要な

ところを担うのです。

 

 

しかし現代の子育ての常識では「教育施設に預ける 」ことが

日常です。なんだか、おかしくないでしょうか。

一番、子どもにとって大事な時期を、親と離れて過ごす。

0歳~6歳までの間は、できるだけ親が関わり育てることベストです。

その頃の、子どもの発育による母子関係は人が生きていくうえで重要な

関係性を育みます。

 

子どもが、産まれて育つことが、当たり前のようによき環境でできることは、

私たちの幸せでもあり、人間の普遍的な喜びでもあります。

 これは、私たちの「喜び」なのです。

 

この地球上に、かつて日本は「子どもの楽園」であると

訪れた外国人は言いました。

大人に混じって、子どもは豊かに育っていた。 

その頃の風景を、私は、取り戻し、もう一度、子どもを育てるということ、

命を育むということを問い直したいです。

 

皆さんは、この出来事をどのように考えておられるのでしょうか。

 

私は、女性と女性の世代の「普遍的価値」を「知恵」として受け継ぐ、

架け橋を、もう一度築きなおす必要があると考えます。