料理家と教育者の3つの共通点「研究者」「科学者」「芸術家」「経営者」どの視点も私たちが子どもを育てる上でヒントになります。

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スペインにある「エル・ブリ」のフェラン・アドリア氏は、料理家として、

世界で予約の取れないレストラン運営しているシェフとして有名です。

【Spain】世界NO.1レストラン『エル・ブリ』が完全閉店の本当の理由 - 日経トレンディネット

 

 

理研究家がキッチンで「料理家」として働く姿は、

親・教育者といくつかの共通点があるのではないでしょうか。

 

 

料理家と教育者は、一見違う「仕事」をしているように見えますが、

「学びのプロセス」という観点で、同じことをしています。

 

 

まず一つは、その日の素材をよく観察し、調理法を考えて、

料理をするところです。

レシピを開発していく「創造のプロセス」は共通しています。

 

 

私たち親・教育者は、「生物」としての人を育てる仕事ですから、

過去の人が「これが正解だ」と言った知識や知恵も時に、

「本当かな。」と時に、疑う必要があります。

 

いつも、「今、どのような状況か。」を観察することから始まります。

 

 

私たちは、過去も未来も生きることはできず、

ただその時の「今」の連続を生きることしかできません。

 

フェランが、レシピを開発するプロセスは、

「科学者」でもあり、「芸術家」でもあるように見えます。

そして、そのレシピを多くの人々に届けるためには、

チームを束ねる「経営者」として要素も兼ね備えています。

 

 

どの能力が欠けても、力を発揮することはできません。

 

 

味覚・聴覚・触覚・嗅覚・視覚すべて丸ごと、

これらの感覚を通じて、得られるものが

「その人にしか感ずることのできない学び」となります。

 

その学びのプロセスを自身の内に築き上げていくことが重要です。

 

 

全てのものは、自分で体験し、感じてみなければ学ぶことはできません。

また、同じ体験をしていても、違う「気付き」があるのが人間です。

 

 

人生において、その体験をどれだけ数多く経験できるかが

「豊かに生きる」ことに繋がると思っています。

 

 他者の知識ばかりを頼りにしたり、常識という枠の中でしか目の前の世界を

見ることができなかったりすることは、自分自身の「豊かさ」とは

かけ離れてしまいます。

 

 

料理家や教育者の共通点の2つめは、

仕事そのものが、学びの要素に溢れているということです。

 

 

人を育てることを通して、編み出したその方法論は、

どんな教育書よりも価値があります。

 

新しいメニューを開発することを通して、編み出した素材の組み合わせは、

どんな料理本よりも価値があります。

 

それは、その人にしか生み出せない「価値」であり、

全く同じようにアウトプットすることは無理です。

 

 

よく行くレストランも、シェフが変わると

その味や、盛り付けのセンスも変わります。

 

学校も、指導する人が変われば、子どもは、すぐに変わります。

 

 

つまり、「誰が」ということが大切です。

 

ロボットで、教育・介護することも、

工場で大量に作られたものを食べることは、生物として生きる私たちに

それほど、必要なものなのでしょうか。

 

 

そのように考えると、あなたにしか生み出せない価値がありますし、

その価値を見つけ、考えることに全力を注いでいくことは、

生きることそのものです。

 

 

そして、親・教育者としてできることは、

今、目の前の子どもに接する際に、「常識」に当てはめないことです。

 

 

それは、どんな制度を活用するか、どこの施設、どこの町に居るか

ということを第一優先に考えてもあまり意味はなく

あなた自身の「在り方」や「価値」で周囲に関わっていくことで変化します。

 

 

最後の「料理家」と「教育者」の共通点は、

「人として生きる上で大切なもの」を相手に提供する行為をするところです。

 

 

料理家であれば、人の口に入れる素材や料理。

教育者であれば、人の心に問いかける言葉や教材。

 

 

それは、「サービス」ではなく、

「思いやり」によって行われます。

 

 

他にも、何かモノやコトを生み出す人は、

学びのプロセスに共通点があります。

 

 

その創造のプロセスは、無意識のうちに行われていることがほとんどですが、

私たちは、それらをヒントに、唯一無二の「人」を育てる行為を

今こそ、社会全体の課題として認識し、進めていく必要があるのです。