地球儀と世界地図どちらを選ぶ?子どもに、物事を立体的・多角的に見る力 を育てましょう。 「立体的思考」は、自ずと知識欲を引き出し、記憶力・判断力に繋がります。
子どもたちが学ぶ空間には、
地球儀を1つ。
必ず、置きたいものです。
今は、どこの部屋や教室にも見られますが、
この地球儀は、ただ、世界の国の位置と名称を覚えるだけでないのです。
そして、平面の世界地図を貼ることに比べ、立体の地球儀の方が価値が
あると考えます。
なぜなら、物事を立体的・多角的に見る力が育てていきたいからです。
ここでは、物事を多角的にとらえる思考を「立体的思考」と呼びましょう。
では、「立体的に思考する」とは、どのようなことでしょうか。
例えば、他の国には、現在の私たちの価値で言われている
「貧しい子どもたち」と呼ばれている人がいます。
この子たちに、お金を集めて、渡すことは、
良いことですか、或いは、悪ことですか。○か×か。
と問われたときに、あなたはどのように答えますか。
○でしょうか。
×でしょうか。
私は、これは一面だけ、一方向だけでは判断できないことだと思っています。
それに、他の方法も考えられます。
つまり、物事には、オセロのように表と裏があり、それに加え、
立体的に、尚且つ、多角的に見ていかなければなりません。
そうすることで、様々な可能性が見えてくるからです。
現在の義務教育のように、テストで100点を取ると言うのは、
記憶力と判断力を鍛えているということになります。
ですから、人を評価することができるのです。
先日申し上げましたように、「生きることを学ぶことが学問」ですから、
社会に対して、自分で疑問をもち、
それを「立体的」に捉えて、見ていく力が必要です。
これが、思考力を伸ばします。
思考力とは、私たち親・教育者が、評価することは、記憶力と判断力に比べて、
非常に難しいということを頭の片隅に置いておいてください。
そのために日々の「コミュニケーション」を通じて、
立体的に物事を見る癖を子どもに身に付けさせることは、
現代社会を生きていく力に繋がります。
まずは、物理的に立体物を使って、思考させることです。
故に、世界の名称を覚える時も、地図帳や、世界地図ではなく、
地球儀を使って学ぶのです。
覚えるなら、どちらでも同じでしょう。
とお考えの方は、少し想像してみてくださいね。
立体的なものを扱うのと、平面を扱うのとでは、
思考するときの「見え方」が変わるということです。
クリスマスツリーのような円錐に近い形のものは、
上から見ると、円に見えます。
横から見ると、二等辺三角形に近い形をしていますね。
そのように「どこから見るのか」で世界は違って見えてくるのです。
その事実を、まずは知ることです。
この世界に、平面上で語られるものは、ほとんどありません。
本で、読んだ知識も、立体思考をすれば、繋がりが生まれます。
立体物から、立体的思考へ促していくのです。
勿論、それは、思考が平面から立体へ変わることを意味します。
建築家は、平面図を描きながら、立体に自身の想像力を使って、表現していきます。
ガウディの建築は、素晴らしいですが、
ガウディは、平面図から立体模型にしながら、
風の通り方、光の透り方まで、想像していたそうです。
そして、自然の中の「カタチ」を参考にしていたとのことです。
私は、ガウディのデザインした本物の椅子を複製したものに座った時に、
その心地よさに驚きました。
そのように、立体的な思考をすれば、
生み出されるものにも「価値」が付随されるのではないかと考えます。
私たちの、生きる世界は、全てが立体です。
学問上だけが、平面で完結できるなんて、あり得ません。
確かに、入学試験や学年末テストは、平面上で行われますが、
それを、使って初めて、「知識」となり「知恵」となるのです。
「立体的思考」の方法を各々が、自分の内で確立させてください。
そうすれば、考えるときに、手を使いたくなり、
アウトプットの方法が変化していきます。
また、アウトプットの方法は、
紙・ノートだけではなく、映像や制作物でもよいのです。
目の前の、子どもたちを観察してみてください。
面白いですよ。
それが如実に現れます。
1つ例を挙げると、粘土を使った学習です。
動物を作るときに、それを立体で表現する子と、平面で表現する子がいます。
けれど、実物を見たり、なぜ、四本足なのかを考えたりした後、
ほとんどの子が立体的に表現します。
この立体的思考の練習は、物事を多面的にとらえる力に繋がります。
「立体的」に思考することで、新しい疑問が生まれることもあるでしょうし、
解決策を見いだせる可能性も広がります。
学問するためには、立体的に思考する力が重要です。
それは、身近な環境から学ぶことができるのです。
そうすれば、自ずと、知識欲が引き出され、
記憶力・判断力が鍛えられるのです。