自己成長するために必要な二つの視点。学びのセンスがある人に共通していること。「フロー状態」と「メタ認知」は、人からの「評価」を超え、学び続け、自己を成長させる支えになります。

今、ここに没頭して、夢中になって生きられることは、とても幸せなことです。

 

よく、「あっという間だった。」

「もう少し、やりたかった。」

という言葉を耳にしますが、

時間の感覚も、充実感も

いつもとは違った感覚を得ているときに出てくる言葉です。

 

 

プロとして極めている人が、ここ一番という舞台や大事な試合で、

「緊張感が心地よかった。」

「相手の動きがよく見えて、自分の動きを瞬時に予測できた。」

とインタビュー等で口にしています。

 

つまり、

「緊張を快感に思い、自分のもっているパフォーマンスが全力で出しきれている」

という状態になります。

 

それは、人が成長する喜びを得て、

生命としての幸せを実感している状態とも言い換えられます。

 

 

最高の集中状態と言えるでしょう。

自分の能力を最大限に発揮している状態です。

 

このような物事に、夢中になる状態を「フロー状態」と呼びます。

 フロー理論とは - flowinstitute ページ

 

人が、この「フロー状態」に入るためには、

いくつかの状況が、必要だと私は考えます。

そのような人達に共通していることを見てみましょう。

 

 

まず第一に、絶対的な自分を信頼することのできる日常の鍛錬を積んでいること。

 

二つ目に、安心感と安定感があること。これは、社会的地位に関係がなく、

自分の生命の力を発揮し、それをコントロールしていること。

 

三つ目に、自分の感覚を大事にしていること。

 

四つ目に、私欲よりも、皆のため、目的(目標)達成の意識のみで動いていること。

 

五つ目に、行っている行為そのものが、とても好きであること。(使命であること)

 

 

私は、そのような人、大人・子どもの両者を観察していて、

以上のような気付きがありました。

 

私たちの、現代社会を生きていて、周囲には、

雑念的な音・食・情報・言語が、五感を通じて入ってきます。

今も、こうしている間にも、身体は色々な情報を獲得しています。

 

私は、社会のこの雑念が、非常に多いことも懸念していますが、

このような状況のなかで、フロー状態にもっていくためには、

強い精神力が必要であると、そのような精神的な話ではなく、

物理的にそのような環境に身をおかなければ、生命の能力を発揮することが、

難しい社会であることは、言うまでもありません。

 

 

しかし、それは、今、ここからでも十分に発揮できることを

知らなければなりません。

私たちは、自分の最大限にもつ能力を発揮できず、もやもやとしているのは、

この社会・世の中の現状だけではありません。

 

そして、少しでもよい方向へ向かおうとするならば、

自分が変わるしかありません。

 

つまり、フロー状態に入れるのも、入れないのも、自分次第ということです。

 

私なら、自分の生命としての最高のパフォーマンスを発揮して死にたいですし、

そのような子どもたちが、この社会にはもっと、もっと必要だと感じています。

 

今、そのような子どもたちが必要なのです。

 

 

では、次に、もう一つの共通する視点を見ていきましょう。

 

f:id:familylearning-full:20151218234535j:plain

 

 

もう1つの、共通する視点として、

自己を客観的に見ることのできる「もう一人の自分」が

必要です。

 

イメージできますでしょうか。

 

この視点は「メタ認知」と呼ばれます。

私は、飛行機の窓から雲や大陸の形や家々を眺めるのが好きなのですが、

そのように上から自分自身を見つめるというような視点です。

また、ZOOMという絵本がありますが、あの絵本から得られる

視点とも近いと思います。

ZOOM (fukkan.com) | イシュトバン バンニャイ, Istvan Banyai | 本 | Amazon.co.jp

 

自己を客観的に見ることのできる「もう一人の自分」を育成するということです。

 

メタ認知」と呼ばれますが、学習においてもこのメタ認知が、

学びを活性化させ、自己成長には欠かすことができません。

 メタ認知とは - はてなキーワード

 

 

 

始めに、「フロー状態」について述べましたが、

その状態をキープし続けるだけでも、人は、成長することはできないと考えます。

 

それを体験した上で、或いは、体験している過程で、

自分をもう一人の自分が見つめる客観的な視点をもつ必要があります。

 

この「メタ認知」は、

自己の行動をフィードバックします。それが瞬時に行われることで、

成長を促進することはできます。

それは、言語化が助けとなることが多いです。

 

だから、私たちは、子どもを教育していくときに、

子どもたちが、このような環境に身をおくことができるように

学習環境にアプローチします。

 

 

 

人が、学びを体得していく過程で、何よりも自分で体験する以上に、

学べる方法はないと思っています。

 

自分で見て、聞いて、感じて、アウトプットして、

初めて「学び」となります。

つまり、人から知識を得てインプットしている間は、

その前段階と言えます。

この基礎的な土台があるからこそ、上記のような活動を支えられているのです。

 

 

生きるということは、「夢中になること」と「客観視すること」

の両者の視点をもち、学んでいくことです。

 

 

そうすれば、人からの「評価」がいかに、くだらないものかが分かります。

 

自分の人生を全うしたいのであれば、

人からの「評価」を気にしていては、

時間の無駄遣いをしていることに気付くのです。

 

 

今、一番やらねばならないこと、

今、一番やりたいことをして、生きていていいのです。

 

 

本来は、それが健全な生命のはたらきなのですから。